【1月30日 AFP】(写真追加)中国から輸入されたギョーザを食べた計10人が中毒症状を訴えて入院し、うち女児1人が重体となっている。警察は30日、餃子に含まれていた殺虫剤が原因と見て、刑事責任を問う可能性も示唆した。

 NHKで生放送された輸入元「ジェイティフーズ(JT Foods)」の緊急会見は、夕食時間近の日本全国を驚かせた。同社では該当する冷凍ギョーザの回収を発表した。ジェイティフーズの親会社、日本たばこ産業(JT)の岩井睦雄(Mutsuo Iwai)取締役は「健康に影響を受けたお客さまの一日も早い回復を祈り、心よりおわびする」と謝罪した。

 中毒症状を起こしたのは千葉県や兵庫県の2家族計10人で、吐き気や胃痛、下痢などを訴え、少なくとも5人は現在も入院している。うち5歳の少女が重体と伝えられている。

 ジェイティフーズによると、ギョーザからは殺虫剤として使われる有機リン系農薬「メタミドホス」が検出された。問題の冷凍ギョーザは中国北東部河北(Hebei)省に拠点を置く天洋食品工場(Tianyang Food Plant)で製造されたもので、同工場ではジェイティフーズが販売する23製品を製造しているという。

 千葉県警はAFPの取材に対し、刑事責任の追及を検討していると述べた。

 中国製品は昨年、海産物食品からタイヤ、玩具まで幅広い範囲で世界的なリコールの対象となった。中国は日本にとって米国に次ぐ貿易相手国で、日本は食品輸入を大きく頼っている。一方で過去数か月の間、中国とは関係のないところで、多くの日本企業による賞味期限切れ食品の表示偽装などが発覚し、大きな非難を浴びている。

 厚生労働省は輸入元に対し、該当製品の輸入を即刻禁止した。同省の食品安全担当官は、原因は残留農薬なのか、意図的あるいは偶発的に殺虫剤が添加されたのかはっきりしないとしながらも、これだけの規模の中毒を引き起こすのは通常の残留農薬では考えにくいと語った。また、ギョーザのパッケージの包装紙からも同じ化学物質が発見されたという。(c)AFP/Hiroshi Hiyama