【1月10日 AFP】教育出版社大手「学研(Gakken)」は10日、各国の情報を音声で案内することで人気の学習用地球儀「スマートグロ-ブ」に不適切な表現・表記があったとして同製品の販売を中止したと発表した。販売分については希望者を対象に回収する。

「スマートグローブ」(定価29,400円)は関連会社の学研トイズ(Gakken Toys)が中国で生産していた。昨年発売され人気商品となり、最初の1万個はすぐに完売した。

 同地球儀では台湾(中華民国)について「台湾島」と表記し、台湾の領有権を主張する中国(中国人民共和国)の一部だと説明している。

 学研は外部から指摘を受け「不適切な表現・表記」があったと謝罪した。また、学研トイズに対し、販売中止を指示した。すでに販売された分については次週から希望者に全額返金し、回収する。

 学研広報室は、当初は日本の学校教科書通りの表記にしようとしたが、「工場が中国にあり、中国政府から表記を変更しないと輸出を認めないといわれた」と説明した。学研側では中国側の指示に従うか、輸出をあきらめるか迷ったが、最終的に従ったという。学研は「常識に欠ける」とする非難などを受けたという。

 他メーカーでも「スマートブローブ」に類似した地球儀を発売しているが、そちらはユーザーが台湾に触れても説明音声は出ない。(c)AFP