【1月10日 AFP】世界の大手自動車メーカーが急拡大するインド市場でのシェア獲得に力を入れつつある中、ニューデリー(New Delhi)で9日、「デリー自動車エキスポ(Auto Expo in New Delhi)」が開幕した。インドのタタ・モーターズ(Tata Motors)が10日に発表する世界最安の小型車に注目が集まっている。

■拡大するインド自動車市場、メーカー各社の競争激化

 年9%の急成長を見せるインド市場では車の購買層が広がっており、自動車販売数は2010年までに現在の2倍以上の200万台に到達すると予想される。また同国政府は、2016年までに国内自動車市場を現在の4倍の1450億ドル(約16兆円)まで拡大するとの目標を掲げている。

 こうした中で、インド市場の獲得は各自動車メーカーにとって勝負どころとなっている。各社とも、インドの安い人件費と税制面での利点を活用して、同国を輸出拠点に小型車の海外販売に拍車をかけようとしている。

 独フォルクスワーゲン(VolkswagenVW)は8日夜、インドでの生産を開始すると表明。韓国の現代自動車(Hyundai Motor)、米国のフォード・モーター(Ford Motor)やゼネラル・モーターズ(General Motors)なども、欧州で振るわない業績を相殺する市場として、インドを始めとした新興経済国に注目している。

■シェア50%のスズキ、独占維持に意欲

 小型車国内第2位のスズキ(Suzuki Motor)は、インドの四輪車製造・販売子会社マルチ・スズキが開発したコンセプトカー、「コンセプトA-Star」を出品する。「A-Star」は、ヨーロッパ調のデザインにペイズリー柄の布地を使用するなど、インドの文化的要素が融合されているという。

 マルチ・スズキはインド市場の50%を占有しているが、今後は同国で新型モデルを毎年1つ販売すると発表。市場の独占状態の維持に努める意向を示した。(c)AFP/Penny MacRae