【12月31日 AFP】韓国の旧大宇グループ(Daewoo Group)倒産に絡む詐欺と横領の罪で懲役10年の刑を受けた同グループ創設者で元会長の金宇中(Kim Woo-Choong)服役囚(71)が、新年の特別赦免で釈放される。

 韓国法務省は31日、大統領による特別赦免で同服役囚ほか75人を1月1日付で赦免すると発表した。

 1999年、韓国筆頭の財閥グループだった旧大宇グループがアジア金融危機の影響で倒産した事件は、韓国経済史上、最大規模の企業倒産とされる。同グループ幹部の複数に、倒産に絡む詐欺などの罪で有罪が宣告されたが、大半は恩赦を受けるか控訴段階で刑期が短縮された。

 同グループは破たん時、820億ドル(約9兆2000億円)の負債を抱えていた。傘下企業の救済のため、政府は30兆ウォン(約3兆6300億円)の公的資金注入を余儀なくされた。

■死刑囚6人は終身刑に減刑

 今回の大統領特赦の対象には、金宇中服役囚を含む8人の旧大宇グループ幹部のほか経済人21人が含まれており、不正会計など経済界における違法行為の多さを物語っている。

 ほかの対象者の中には、1998-2003年の金大中(キム・デジュン、Kim Dae-Jung)政権で、経済人や政治家の電話を違法盗聴した罪で有罪となった情報機関の元高官2人も含まれている。

 また特赦により、死刑囚6人が終身刑に減刑された。韓国では1997年12月30日を最後に死刑の執行が一時停止されている。(c)AFP