【12月13日 AFP】11日連続爆破テロが起きたアルジェリアの首都アルジェ(Algiers)の爆破現場では翌12日も、救急隊員らによる生存者の救出活動が続けられている。このテロで、国連(UN)職員11人を含む数十人が死亡したとみられており、国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)系のイスラム過激派組織が犯行声明を出している。

 ムラド・メデルチ(Mourad Medelci)外相は同日、外国人5人を含む30人が死亡し、28人が病院で手当てを受けていると仏ラジオ局に語った。病院関係者によると、62人が死亡、約100人が負傷したという。地元紙エルワタン(Al-Watan)は同日、病院関係者の話として72人が死亡したと伝えた。 アブデルアジズ・ベルハデム(Abdelaziz Belkhadem)首相は国営テレビで11日、公式発表した死者数26人が「実際の」数だと主張している。

 死者数が定まらない中、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)などの国連機関を狙った爆発のがれきの下から生存者7人が救出された。

 国連は、少なくとも職員11人が殺害され、依然として数人の安否が確認できていないとしている。救急隊員らは災害救助犬を動員して、一部倒壊したビルのがれきの下敷きになった負傷者の捜索を行った。行方不明者の家族らは、不安を抱えながら安否の知らせを待った。

 イスラム過激派組織「布教と聖戦のためのサラフ主義集団(Salafist Group for Preaching and CombatGSPC、現イスラム・マグレブ諸国のアルカイダ組織)」はウェブサイト上に犯行声明を発表した。犯行声明の信ぴょう性については現在不明。

 国連の潘基文(バン・キムン、Ban Ki-moon)事務総長は国際社会を代表して、「職員の安全を守るためにいかなる手段も講じる」との非難声明を出し、直ちに国連職員の安全対策を見直すよう求めた。また、前週アルジェリアを公式訪問したニコラ・サルコジ仏大統領(Nicolas Sarkozy)は、「野蛮で忌まわしく卑劣な行為」と非難した。このほかロシアやシリア、スペイン、イタリアの指導者も、今回のテロを非難。隣国のモロッコやチュニジアでも非難の声が挙がっている。

 ヤジド・ゼルーニ(Yazid Zerhouni)内相は、自爆テロはUNHCRや国連開発計画(United Nations Development ProgramUNDP)などの国連機関の事務所ビルを吹き飛ばしたと述べた。ビルの入口部分は倒壊した。

 この爆発の数分前には、最高裁判所や憲法裁判所のビル近くでも爆弾を積んだ車両が爆発し、広範囲にわたって被害が出た。この車両付近を走行中のバスに乗っていた学生らが犠牲になっている。爆発の際、憲法裁判所の2階にいた弁護士は「まるで地震のようだった」と話した。(c)AFP/Hassen Zenati