【12月3日 AFP】(一部更新)ベネズエラで2日、大統領権限を大幅に強化する憲法改正案の是非を問う国民投票が行われ、反対51%、賛成49%で同改憲案は否決された。

 ウゴ・チャベス(Hugo Chavez)大統領は3日朝の記者会見で「敗北は僅差で悲しくはない」「支持票に励まされた」と繰り返し強調。「ジレンマの中で何時間か自分自身に問いかけた。今はもうジレンマはなく穏やかな気持ちだ。ベネズエラ国民もそうあってほしいと願う」と語った。選挙委員会の発表では賛成は49%で、反対51%をわずかに下回った。

 野党議員やその支持者は結果発表後、改憲案否決を祝福。首都カラカス(Caracas)市街では花火が打ち上げられ、通りには歓声や笛の音が響いた。

 対照的にチャベス支持派は消沈した様子で、改憲運動中に使った「賛成」と書いた赤い旗や垂れ幕も降ろされた。
 
 チャベス大統領が1999年に政権に就いて以来、選挙や国民投票で大統領側の主張が敗北したのは今回が初めて。過去の投票では毎回、カリスマ性の強い左派のチャベス大統領陣営が圧勝してきた。

 2日の投票では、ベネズエラのいっそうの社会主義化を進めるための大統領権限拡大を許す改憲案の是非が問われていた。(c)AFP/Marc Burleigh