【東京 11月21日 MODE PRESS】パキスタンで2002年、誘拐・殺害された米国人ジャーナリストのダニエル・パール(Daniel Pearl)氏の妻マリアンヌ・パール(Mariane Pearl)氏の著作を映画化した『マイティ・ハート/愛と絆(A Mighty Heart)』が11月23日から、全国で公開する。

■世界各地で絶賛された作品

 今年5月に開かれた第60回カンヌ国際映画祭(60th Cannes International Film Festival)では、特別招待作品として上映され、話題となった同作品。2008年のアカデミー賞(Academy Awards)の有力候補としても注目を集めている。

 撮影は事件が起こったパキスタンのカラチ(Karachi)をはじめ、イスラマバード(Islamabad)、ラワルピンディ(Rawalpindi)などで進められた。実際の現場となったホテルやカフェなどでも撮影し、事件に関わった人々へのインタビューなどを行なうなど、事実に忠実な作品に仕上がっている。

■プロデューサーはブラッド・ピット

 2002年1月、取材のためカラチを訪れていたダニエルと妻マリアンヌ。取材中に突然行方不明になった夫を、マリアンヌは必死の思いで探そうとするが、ダニエルは殺害されてしまう。しかし夫の死に屈することなく、マリアンヌは一冊の本を書き上げる。

 今作品誕生のきっかけとなったのは、同氏の著書「マイティ・ハート 新聞記者ダニエル・パールの勇気ある生と死(A Mighty Heart: The Brave Life and Death of My Husband Danny Pearl)」(潮出版社)。この本を読み感銘を受けたブラッド・ピット(Brad Pitt)がプロデューサーとなり、マイケル・ウィンターボトム(Michael Winterbottom)監督とともに映画の製作が始まった。

■関係者とキャストが協力して役作り

 ダニエル役には脚本家としても活躍するダン・ファターマンを抜擢。実際にダニエル氏の両親やマリアンヌ氏と会い、役作りをしたという。「私も彼もユダヤ人だから、(彼を)自然に受け止めることができた」とファターマン。

 ダニエル氏と同じくジャーナリストとして活躍していたマリアンヌ役を務めるのは、アンジェリーナ・ジョリー(Angelina Jolie)。映画の製作が始まる前からマリアンヌ氏とは友人で、ジョリーへの配役を提案したのも、マリアンヌ本人だったという。「敬意を抱いている女性を自分が演じるなんて、なんだか申し訳ないと思ったけれど、彼女の誠意にすごく助けられた」とアンジェリーナ・ジョリーは語っている。

 ジョリーの演技は、米国での公開後多くのメディアに絶賛された。国際社会に対して積極的な活動を行なっているジョリー自身ならではの演技が高く評価されている。

 マリアンヌを支える友人で、ジャーナリストのアスラ・ノマニ(Asra Nomani)役を演じるのは『ベッカムに恋して』で話題を呼んだアーチー・パンジャビ(Archie Panjabi)。パンジャビは、「この映画は政治的な背景はあるものの、私にはとてもパーソナルな物語で、人間を描いたドラマに思える。宗教的背景や国籍、信条が違う人々がひとつになったチームというのもメッセージになっている」と話る。

 同作品は、11月23日(金)からTOHOシネマズ六本木ヒルズなど全国で公開予定。(c)2006 Paramount Vantage. All Rights Reserved./MODE PRESS

◆映画情報◆
タイトル :『マイティ・ハート/愛と絆』
公開表記 :11月23日(祝/金)よりTOHOシネマズ六本木ヒルズ他にて全国ロードショー
配給   :UIP映画
  • 『マイティ・ハート/愛と絆』公式HP