【11月14日 AFP】カンボジアのフン・セン(Hun Sen)首相は14日、旧ポル・ポト政権のキュー・サムファン(Khieu Samphan)元国家幹部会議長(76)が同日中に首都プノンペン(Phnom Penh)で入院すると発表した。

 元議長は、大量虐殺の罪などで旧ポル・ポト政権幹部を裁く特別法廷により、即時身柄を拘束されるとみられている人物。

 フン・セン首相によると、元議長は同国北西部の旧ポル・ポト派支配地域パイリン(Pailin)の自宅からプノンペンにヘリコプターで移送され、高血圧の治療を受けるという。

 フン・セン首相は「特別法廷との関係から、もし(元議長が)死亡すれば、われわれにとって問題になる」と述べ、政府が元議長の健康状態を気遣っていなかったとの批判は当たらないと語った。

 同日、元議長の友人が語ったところによると、キュー・サムファン氏はタイでの治療を望んでいたが当局が許可しなかったという。

 元議長の夫人、Sor SocheatさんはAFPの取材に対し、元議長は前夜にパニック発作とみられる発作を起こしたが、その後容体は回復したと語った。

 夫人によると、元議長はハンモックから起き上がろうとしてうまくいかず、次に後ろ向きに座ろうとして失敗し、床に転落して負傷したという。(c)AFP