【11月10日 AFP】30年前に英国でパンク革命を巻き起こした伝説のバンド、セックス・ピストルズ(Sex Pistols)の再結成ツアーがロンドン(London)で始まった。評論家は9日、「キレ味があり、活気にあふれたライブ」と上々の評価を下した。

 評論家によると、8日のライブでは知名度の低いナンバーでは今ひとつ精彩を欠いたものの、「不機嫌な表情でつばを吐く」のがトレードマークのフロントマン、ジョニー・ロットン(Johnny Rotten)ことジョン・ライドン(John Lydon)は数々の代表曲を見事によみがえらせたという。

 ガーディアン(Guardian)紙の評論家は、「(セックス・ピストルズは)過去2回、ロンドンで再結成ライブを行っているが、1996年はシャープ、2002年は酔っぱらいの粗雑な演奏という感じだった。今回は1度目と同じ印象でよかった」と述べた。

 また「ライドンお得意の悪ふざけは姿を消したが、人を小ばかにしたような半ばヨーデル調のボーカルはゾクゾクするほど昔と変わらなかった」という。

「アナーキー・イン・ザ・UK(Anarchy in the UK)」や「プリティ・ベイカント(Pretty Vacant)」などのシングルを引っさげて1970年代の英国にパンク・ムーブメントをもたらした同バンドの今回の再結成ライブは、英国音楽業界における画期的アルバムとされる「勝手にしやがれ(Never Mind the Bollocks)」の発売30周年を記念したもの。

 1975年に結成された同バンドは1978年に解散。1996年に再結成したが、2003年以来ライブは行われていなかった。1977年にベーシストとして加入したシド・ビシャス(Sid Vicious)は、薬物の過剰摂取で1979年に死亡している。

 バンドはロンドンのブリクストン・アカデミー(Brixton Academy)で5回公演した後、17日にマンチェスター(Manchester)、18日にグラスゴー(Glasgow)のアリーナで演奏する予定。(c)AFP