【11月1日 AFP】ソマリアの首都モガディシオ(Mogadiscio)南部で発生したエチオピア軍に対する抗議デモの影響を受け、10月31日までに最大9万人の避難民が発生している。人道支援団体などは、支援活動が不可能になりつつあるとして同国の危機を訴える声明を発表した。

 ソマリアでは、デモが行われた27日から29日にかけて市民が避難を開始。国連難民高等弁務官事務所(UN High Commissioner for RefugeesUNHCR)は声明で「過去数か月で最悪の事態」と述べた。

 目撃者および警察当局によると、エチオピア軍の発砲による犠牲者を含む少なくとも10人の死亡が確認されている。

 モガディシオでのデモは31日には小康状態となったものの、救援団体の関係者は「緊張は続いている」と話し、地元住民は避難を続けている。

 国際援助団体ケア・インターナショナル(CARE International)、オックスファム(Oxfam)、イスラミック・リリーフ(Islamic ReliefIR)を含む40以上の人道支援団体は共同声明を発表、「ソマリア中南部での人道支援は破たんに向かっている」との認識を表明した。声明文はソマリアでの紛争はすでに人道支援が不可能な状態に達しているとして同国の危機を訴えている。

 UNHCRの発表によると、約4万6000人が首都モガディシオ西方30キロのAfgooyeに向かう道路沿いに避難したほか、4万2000人が同市郊外などに逃れたとみられる。ソマリアではすでに国民の6分の1にあたる150万人が人道支援を必要としており、新たな避難民の発生で事態は悪化しつつある。(c)AFP/Bogonko Bosire