【10月21日 AFP】サッカー、07-08イングランド・プレミアリーグ・第10節、アーセナル(Arsenal)vsボルトン・ワンダラーズ(Bolton Wanderers)。試合はアーセナルが2-0で勝利を収め、リーグ7連勝を飾り首位をキープした。

 アーセナルはボルトンの激しいプレーを前に華麗サッカーを披露することはできなかったが、後半に挙げたコロ・トゥーレ(Kolo Toure)とトマス・ロシツキー(Tomas Rosicky)のゴールは今季14試合中13度目の勝利を飾るのに十分な得点だった。

 07-08シーズン開幕前のチームに対する悲観的な下馬評を覆し好スタートを切ったアーセナルとは対照的に、未だ1勝しか挙げられず最下位に低迷し先日サミー・リー(Sammy Lee)監督が退団するなど危機的な状況に陥っているボルトンは、代表戦によるリーグ戦の中断期間を利用しリフレッシュして試合に臨んだが、伝統的に交戦的なプレーを苦手とするアーセナルを大いに苦しめた。

 ケヴィン・デイヴィーズ(Kevin Davies)を1トップに据えて中盤を厚くしたボルトンに対しアーセナルはスペースを見つけることができず、試合はボルトンの目論み通り面白みに欠ける消耗戦となり、アーセナルにとっては悪夢のような展開となった。

 前半20分に普段は冷静なセスク・ファブレガス(Cesc Fabregas)がボルトンのイバン・カンポ(Ivan Campo)の遅れ気味のタックルに対し両チームが揉み合う中で警告を受けるなどアーセナルにとってフラストレーションの溜まる展開が続き、その後もボルトンのエル・ハッジ・ディウフ(El Hadji Diouf)がバカリー・サニャ(Bacary Sagna)に対してあわや2度目の警告となる際どいタックルを見舞うなどボルトンの激しいプレーは繰り返された。中盤の激しい潰し合いの中で決定機は限られたものとなったが、前半終了2分前のエマヌエル・アデバヨール(Emmanuel Adebayor)のヘディングシュートは上手くヒットせずに枠を外れるなど、アーセナルは数少ない得点チャンスを生かすことができず両チーム無得点で前半を折り返す。

 ボルトンは満足の行く形で後半を迎えたが、思惑通り試合展開が気の緩みを生む結果となった。それまで素晴らしいプレーを見せていたギャヴィン・マッカン(Gavin McCann)が、エドゥアルド・ダ・シルバ(Eduardo Da Silva)のクロスの処理を誤り、フリーでボールを受けたエマヌエル・エブエ(Emmanuel Eboue)がシュートを外してしまうが、このプレーをきっかけにアーセナルは試合のテンポを上げてボルトンとの肉弾戦に終わりを告げる。

 その後セスクのミドルシュートはボルトンのGKユシ・ヤースケライネン(Jussi Jaaskelainen)にセーブされ、この試合ではツキに見放されたアデバヨールのシュートは惜しくも枠を捉えきれなかったもののリズムを掴んだアーセナルは、後半22分にボルトンの不必要なファウルで得たトゥーレのフリーキックがボルトンのアブドライェ・メイテ(Abdoulaye Meite)の足に当たってコースが変わり待望の先制点を挙ると、同36分にはテオ・ウォルコット(Theo Walcott)の切り返しからボールを受けた途中出場のロシツキーが追加点を決めてボルトンの息の根を止め、苦しみながらも公式戦11連勝を飾った。

(c)AFP