【10月30日 AFP】(一部更新)伝説的な米ミュージシャン、ボブ・ディラン(Bob Dylan、66)の史上初の絵画展が28日、ドイツ東部ケムニッツ(Chemnitz)のKunstsammlungen美術館でスタートした。絵画展は2月3日まで開催の予定。

「Bob Dylan -- The Drawn Blank Series」と題されたこの絵画展には、ディランが描いた175点の水彩画とパステル画が展示されている。美術館側は、同絵画展に12万人の来場者を見込んでいる。

 同博物館のIngrid Moessinger館長によると、ディランを説得するのにわずか2日間しかかからなかった。「彼は自分の絵を展示することに興味を持つ人間が現れたことを喜んでいた」と館長は語った。

 絵画展の開催が決定したのち、ディランは肖像画、風景画、静物画、裸体画など320点をわずか8か月間で描き上げ、その中から好きなものを展示するよう言ったという。

 ディランはシカゴでコンサートを開くため展示会のオープニングには欠席したが、絵画展の開催に際し発表したプレスリリースの中で、「作品を完成させることができたのは、同美術館が展示を申し出てくれたおかげだ。そうでなければ、途中で投げ出してしまったかもしれない」とのコメントを寄せた。

 ディランがツアーのかたわら、水彩画を描き始めたのは1980年代後半から1990年代前半にかけて。「Man on a Bridge」や「Girl in the Red Lion Pub」と題された当時の作品は、印象派の影響を強く受けている。1994年には、「Drawn Blank」と題した画集を出版しているが、あまり知られていない。

 1960年代に「風に吹かれて(Blowin' In The Wind)」や「時代は変る(The Times They Are A-Changin)」などのプロテスト・ソングで一躍脚光を浴びたディランは、2006年に44枚目となるアルバム「モダン・タイムズ(Modern Times)」をリリースしている。(c)AFP