【10月19日 AFP】ソロモン諸島で18日、アラブ首長国連邦(UAE)へ向け生きたイルカ28頭が輸出された。4年前に同様の輸出が国際社会の怒りを買って以来、同国では禁輸措置が取られていたが、裁判所の判断を受けて禁輸解禁の運びとなった。

 イルカは厳戒態勢の中で離島のいけすから首都ホニアラ(Honiara)に移送。警官の護衛のもとで貨物機に載せられ、30時間かけてドバイ(Dubai)まで運ばれた。

 輸出に対する抗議行動はなかったが、国際環境保護団体の一部は、生きたイルカの輸出を再開した政府の決定を「非人道的」と非難している。

 今週、いけすに通じる道路沿いに捨てられたイルカの死骸(しがい)を映した写真が公開され、米サンフランシスコ(San Francisco)に本部を置くアースアイランド研究所(Earth Island Institute)は、この写真こそが、イルカがストレス下にあったことを示していると指摘する。

 ソロモン諸島政府は2003年、イルカをメキシコに輸出しようとした際に厳しい非難を受け、生きたイルカの輸出を禁止したが、イルカの輸出会社が政府の禁輸措置を違法として裁判所に訴えを起こし、今年初め、訴えを認める判決が下されている。

 アースアイランド研究所はイルカの輸出差し止めを求めたが、最高裁は、輸出を非人道的とする同研究所の訴えを裏付ける十分な証拠がないとしてこれを退けた。

 同国の主要財源は材木業だが、森林伐採が持続不可能な水準まで進行している。同輸出会社は、イルカの輸出は経済発展の一助となると主張し、UAE以外の国への輸出も計画していることを明らかにした。(c)AFP