【10月5日 AFP】2000年シドニー五輪の女子100メートル、同200メートルを制した米国のマリオン・ジョーンズ(Marion Jones)が、同大会に向けステロイドを使用したことを認めたと4日付けの米ワシントン・ポスト(Washington Post)紙が報じた。

 同紙によるとジョーンズは訴因である薬物使用と個別問題である自身の金銭問題について連邦捜査官に嘘をついていたとして、5日にニューヨークで罪を認めるとしている。

 またBALCO社(Bay Area Laboratory Co-operative)が提供したステロイドの「クリア(The Clear)」を、1999年から約2年間使用したことを示唆していると報じている。

 現在31歳のジョーンズは、シドニー五輪で3個の金メダルを含む5個のメダルを獲得するなど、かつては最も偉大な女性アスリートとして名を馳せたが、違法ステロイドを製造したとして最終的に5つもの有罪判決を受けたBALCO社の捜査時には、有名アスリートの一人として連邦大陪審に出廷し、証言を行っていた。

 連邦当局はBALCO社が製造し、社内の研究所では「クリア」として知られていたステロイドはTHG(テトラハイドロゲストリノン)であると指摘していた。

 ジョーンズと一児をもうけた元夫で陸上選手だったティム・モンゴメリー(Tim Montgomery)は、BALCO社の捜査時に明らかとなった証拠を元に100メートルの世界記録が取り消され、引退に追い込まれている。

 しかしながら、同様の疑惑が周りに渦巻く中でもジョーンズはパフォーマンスを高めるような薬物を摂取したことは無いと強く否定していた。しかし、ドーピングの告発を受けたジョーンズは2004年アテネ五輪の米国トライアルを苦しみながら通過したものの、本戦では惨敗した。

 社員はジョーンズの元コーチが禁止薬物を(サプリメント用品として使われている)フラックスシードオイル(亜麻仁油)だと偽って渡したとし、サプリメントについて「誰にも何も話すなと言われた時点で赤旗が挙げられているべきだった」と手紙の中で振り返っているとも報じている。

 連邦捜査官にサンプルを見せられ「クリア」を使ったのかどうかを聞かれたジョーンズは、パニックに陥り、使用したものだったにもかかわらず使わなかったと証言した。

 現在陸上選手のオバデレ・トンプソン(Obadele Thompson)とテキサス州オースティンに居を構えているジョーンズは、ニューヨークに出向き有罪答弁を行い、約半年間の刑務所での生活を送ると見られている。(c)AFP