【9月29日 AFP】ウクライナで30日、最高会議(議会)の繰上げ選挙が行われる。

 親欧米派のビクトル・ユーシェンコ(Viktor Yushchenko)大統領と親ロシア派のビクトル・ヤヌコビッチ(Viktor Yanukovych)首相の対立による政治的混乱の収拾を図ろうとするもので、この3年間で3回目の国政選挙となる。新欧米派は親ロシア派から政権を奪い返すチャンスと見ている。

 選挙戦では年金や汚職といった国民の関心が高い問題に重点が置かれた。2004年の大統領選でユーシェンコ大統領が野党の大規模な抗議行動によってヤヌコビッチ首相を破った「オレンジ革命」とは様相が大きく異なる。

 しかし米政府、欧州連合(EU)、そして次第に主張を強めてきたロシア政府は、ウクライナでの政治的変化を注視している。旧ソビエト連邦のウクライナは、EUと北大西洋条約機構(NATO)に加盟申請している上、ロシアがEU向けに天然ガスを輸出する重要なパイプラインが同国を通っているためだ。

 ただし、20の政党が450議席を争う今回の選挙で過半数を獲得できる政党はないと見られ、選挙後の連立協議で再び政局が混乱する恐れもある。

 投票は全国3万4000か所の投票所で午前7時(日本時間午後1時)から午後10時(日本時間10月1日午前4時)まで行われる。外国から3300人を超す選挙監視員が参加する。(c)AFP/Sebastian Smith