【9月25日 AFP】ニューヨーク(New York)で開かれていた地球温暖化に関するハイレベル会合が24日、閉幕した。参加150か国のうち80か国以上から国家元首が出席するなど、国連が主催する温暖化問題会合としては最もハイレベルな会合となった。会合では、温室効果ガス排出量を2050年までに半減させるという目標を掲げた欧州の積極姿勢が目立った。

 潘基文(パン・キムン、Ban Ki-Moon)国連事務総長は議長総括のなかで、「温暖化問題が現実であることを疑う者はもはや誰もいない」と述べたうえで、「今、早急に行動しない者は、将来、歴史からの批判を受けることになるだろう」と警告した。

 また、各国に対し、12月3日から14日までインドネシアのバリで開催される地球温暖化防止条約締約国会議で「真の状況打開」に向けた努力を求めた。

 バリ会合は、2012年に期限切れとなる「京都議定書(Kyoto Protocol)」後の温暖化対策のロードマップとなる枠組みを協議する。

 英国のヒラリー・ベン(Hilary Benn)環境相は、記者団との朝食会の席上、バリ会合では温室効果ガス排出量を1990年の水準から2050年までに少なくとも50%削減することで合意を得たいと語った。ベン環境相は「温室効果ガス問題の解決や温暖化の危機回避に至らない合意などは無意味だ」と話し、バリ会合での合意は「野心的なものでなければならない」と語った。また米国に対し、拘束力を持った温室効果ガス排出量の削減義務への反対を止めるよう訴えた。

 1997年に採択された京都議定書は削減義務を先進諸国のみを対象としていたことから、これに反発するジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)米大統領は2001年、同枠組みからの脱退を決定した。

 ベン環境相は、こうした米国の態度について、「削減目標達成の義務を、米国などの経済大国も含めた全ての国々が負う必要がある。そうすれば、気候変動の危機を乗り越えられる」と強調した。

 欧州連合(EU)、カナダ、日本などが、2050年までに排出量を50%削減するという目標を支持している。

 さらに欧州連合は今年、温室効果ガス排出量を2020年までに20%削減するとした自主目標を決定しており、他の先進国の参加が得られれば30%の削減も可能だとしている。

 ニコラ・サルコジ(Nicolas Sarkozy)仏大統領は、「一国の将来は他の国々と密接につながっており、問題解決には一団となった行動が不可欠だ」と述べ、国際的な協力を訴えた。(c)AFP/Richard Ingham