【9月18日 AFP】2008年に創設50周年を迎える米航空宇宙局(NASA)のマイケル・グリフィン(Michael Griffin)長官は17日、会見を開き、1800億ドル(約20兆円)の経済効果があり実生活にも利益をもたらす「宇宙経済」におけるNASAの役割を強調した。

 グリフィン長官は、NASAがけん引する「宇宙経済」は新しい市場と新しい可能性の創出を通じて経済成長を実現するものであり、実現して初めて人々が認識し、理解するような形で地球に暮らす人類の生活を向上させるものだと説明した。

 NASAは、厳しい国家財政の中、危険で非現実的な宇宙計画に予算を費やしていると非難されることも多いが、同長官は「宇宙経済」の2005年の経済効果を1800億ドル(約20兆円)、うち60%以上が商業活動による収益とする宇宙関連の非営利団体Space Foundationの研究を示し、「宇宙経済」の実益を強調した。

 宇宙開発における成果が実生活に生かされた例には、乳がん検出性能の向上や心臓ペースメーカーの精度向上が挙げられる。また、全地球測位システム(GPS)は現在では当初の軍事目的以外にも幅広い目的で使用されている。宇宙技術を転用して作物の収穫量を上げる試みも行われている。

 グリフィン長官は、「米国が熾烈な国際競争において首位を保ち続けるには、NASAは宇宙分野で革新を続けなければならない」と語った。(c)AFP