【9月15日 AFP】ヒトラー(Adolf Hitler)暗殺未遂事件を描いた映画『ワルキューレ(Valkyrie)』の国防省内での撮影を不許可としていたドイツ政府が14日、一転して撮影を許可すると発表した。

 『ワルキューレ』は、ヒトラー暗殺未遂事件(ワルキューレ作戦)を企て、処刑されたクラウス・フォン・シュタウフェンベルク(Claus Schenk von Stauffenberg)大佐をトム・クルーズ(Tom Cruise)が演じるハリウッド映画。

 制作者側は、大佐らが実際に処刑された旧陸軍最高司令部の中庭での撮影を求めていたが、現在、国防省内ドイツ抵抗運動追悼所となっているため、同所での撮影を政府が不許可としていた。

 だが国防省報道官によると、制作者側が「ナチス(Nazi)支配から解放され、完全なる民主主義国家となった統一ドイツの姿」を作品内に盛り込むことに同意したため撮影が許可されたという。

 同報道官は「ここで撮影されるシーンは素晴らしいものになるだろう。1944年7月20日、ナチスに対する抵抗運動を行った人々がここで処刑された。この場所は特別な場所だ。この歴史的な場所が、尊重されることは大変重要なことです」と語った。

 7月からベルリン市内で撮影が始まっている『ワルキューレ』は、2008年公開予定。(c)AFP