【9月12日 AFP】自民党(Liberal Democratic Party)は安倍晋三(Shinzo Abe)首相が12日、就任から1年足らずで辞意を表明したことを受け、後継の総裁選びに入る見通しだ。

 後継候補の顔ぶれは以下の通り。

■麻生太郎(Taro Aso)自民党幹事長(66)

 率直な物言いと保守的な姿勢で知られ、自民党総裁選では2度にわたり、小泉純一郎(Junichiro Koizumi)前首相と安倍首相に敗れている。

 前回の参院選では麻生演説の人気が高く、与党議員が安倍氏ではなく麻生氏に応援演説を求めることも多かった。ただ、「アルツハイマーの人でもわかる」との失言で謝罪したこともある。

■町村信孝(Nobutaka Machimura)外相(62)

 自民党最大派閥を率い、麻生氏の後任として外相に返り咲いた。小泉内閣でも2004年から2005年にかけて外相を務めた。1997年には文部相を務め、その3年後には科学技術長長官を兼任した。日中友好議員連盟副会長、北京オリンピックを支援する議員の会副会長の職にあり、小泉前首相の靖国神社参拝には批判的だった。靖国神社は戦没者と戦犯がまつられ、日本と近隣諸国の緊張が高まる原因となっている。

■谷垣禎一(Sadakazu Tanigaki)元財務相(62)

 小派閥の領袖で、小泉内閣で財務相を務めていた2006年、自民党総裁選に出馬し、安倍、麻生両氏に続く3位に終わった。多くの自民党幹部と同様2世議員で、財務相就任前は大蔵政務次官、金融再生委員会委員長を歴任している。

 2003年から2006年にかけての財務相当時は、消費税引き上げにより財政再建を図る構想を掲げた。穏健外交を支持し、中国、韓国との関係改善のため靖国神社は参拝しないと公約している。

■額賀福志郎(Fukushiro Nukaga)財務相(63)

 額賀福志郎(Fukushiro Nukaga)財務相(63)。8月に安倍内閣の財務相に就任したが、むしろ防衛、商工通として知られる。産経新聞元記者で、2度にわたり防衛庁長官を務めたが、1度目は防衛庁調達実施本部背任事件で責任を問われ、1998年11月までの3か月で辞任を強いられた。

 2000年から2001年にかけて経済企画庁長官、後に経済財政政策担当大臣となったが、汚職事件を起こした企業から献金を受けていたため辞任を余儀なくされた。

 2005年から2006年にかけて2度目の防衛庁長官を務めたが、同氏の2度の防衛庁長官在任中、北朝鮮がミサイルを発射して世界を震撼させた。

■福田康夫(Yasuo Fukuda)元官房長官(71)

 福田康夫(Yasuo Fukuda)元官房長官(71)。2000年に森喜朗(Yoshiro Mori)内閣の官房長官に就任し、小泉内閣でも引き継いで1289日間の最長在任記録を持つ。2004年、国民年金保険料の未払いが発覚して辞任に追い込まれた。

 2006年の総裁選では有力候補になるとみられていたが、直前になって出馬を取りやめた。それ以降、権力争いからは身を引いているが、いまでも首相になる可能性が完全に消えたわけではないとみられている。外交的にはハト派として知られる。(c)AFP