【9月10日 AFP】石油輸出国機構(Organization of Petroleum Exporting CountriesOPEC)の総会開催を翌日に控えたウィーン(Vienna)に10日、加盟各国の石油担当閣僚が到着した。原油価格が過去最高の水準まで高騰し、世界経済を脅かす新要因とみなされる中、OPECは原油価格引き下げへの取り組みを求める原油消費国の圧力にさらされている。

 原油増産の有無が決定される今回の総会では、サウジアラビアが他の加盟国に増産を促すものとみられる。

 原油価格は1バレル80ドルに迫る勢いで高騰、米国の低所得者向け住宅ローン(サブプライムローン)問題とともに、世界経済の重荷となっている。

 OPEC加盟国は消費国からの値下げ要求圧力を受けているが、世界経済の先行きが不透明なため、原油需要の見通しも立てにくい状況にある。

 増産に反対の立場をとっているカタールのアブドラ・ビン・ハマド・アティーヤ(Abdullah bin Hamad al-Attiyah)エネルギー・産業相は9日にウィーン入りした際、米国経済の悪化による需要減少と原油増産が同時に起こる危険性を指摘。板ばさみの加盟国心理を代表し、「増産しても買い手がなかったらどうなるのか」と疑問を呈した。

 OPECは世界の原油の約3分の1を生産している。

 OPECは1997年、アジア金融危機の拡大を受け原油を増産したが、原油需要の減少と世界経済後退への懸念を背景に、原油価格は1999年には1バレル10ドルまで急落した。

 アティーヤエネルギー・産業相は「(原油価格で)世界経済を後退させたくない。米国が風邪を引けば、われわれが咳こむことになるのは分かっている」と語った。(c)AFP/Adam Plowright