【8月23日 AFP】ジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)米大統領は22日、ミズーリ州(Missouri)カンザスシティー(Kansas City)で演説。イラク駐留米軍の早急な撤退論について、ベトナムや日本、韓国を例に挙げて反論、駐留の重要性を訴えた。

 朝鮮戦争やベトナム戦争に参加した米退役軍人の会合で行った演説で、ブッシュ大統領はまず、米国がベトナムから撤退した後、南東アジアでは大量殺りくなどによって何万人もの一般市民の犠牲が出たと指摘。イラクでも米軍撤退が、同様の事態を引き起こす可能性があると警告した。

 さらに、「どんなに楽観的な人でも、日本が米国の最強で不変の同盟国の1つになり、韓国が敵の侵略を乗り越え経済大国の1つになったことを予見できた人はいない」と述べ、イラクでの国家建設と軍事作戦をそれぞれ、第2次大戦後の日本の民主化と朝鮮戦争時の韓国防衛に例えた。

 また、「民主化したイラクは、国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)にとっては痛手となり、中東地域の何万人もの人々に希望をもたらす。テロとの戦いでも米国の重要な同盟国になる」と発言。ベトナムや日本の例は重要な教訓であり、自らの政策の貴重な前例になっているとして、現在批判を浴びているイラク戦略を擁護した。(c)AFP/Olivier Knox