【8月17日 AFP】アフリカ西部ギニアビサウのボラマ(Bolama)島で、ユリシーズ・シンプソン・グラント(Ulysses Simpson Grant)米国18代大統領の銅像が何者かによって持ち去られ、警察が銅像の行方を追っている。

 グラント大統領は1869年から1876年まで、第18代米大統領を務めた人物。米国の南北戦争時に、北軍の将軍として活躍した。また、ポルトガルと英国がボラマ島の植民地化をめぐり一触即発の事態を迎えた時、同大統領の仲裁により、同島はポルトガルの植民地となった。

 これを記念してポルトガルは、同地にグラント大統領の銅像を建てた。しかし、1974年にポルトガルからの独立を遂げたのを機に、植民地時代の象徴であるこの像は、知事公邸の中庭に移された。

 4か月前に就任したばかりのBraca de Pinaボラマ島知事は取材に対して、「銅像がいつ持ち去られたのかは不明」としながらも、「おそらく私が知事就任する以前に持ち去られたのでは」とも述べた。

 また、同知事は、「銅像は歴史的な価値も高くボラマ島の誇りだ。銅像が持ち去られたことを非常に憂慮している」と語った。

 持ち去られた銅像は、海外のスクラップ市場に売り飛ばされたとの見方が強いが、一方で銅像を目撃したとの情報もある。しかし、警察の捜査もむなしく銅像は今もって行方不明のままだ。(c)AFP