【8月15日 AFP】米国のダナ・ファーバー癌研究所(Dana-Farber Cancer Institute)は14日、赤身肉やフライドポテト、デザートなどを中心とした欧米型の食生活を続けた大腸ガン患者の再発率や早い段階での死亡率に関する研究結果を発表した。

 生活習慣や食生活ががん発症の重要な要因となることは、これまでも指摘されてきた。しかし、食事の内容と大腸ガン再発の関係については、これまでほとんど研究されてこなかった。

 今回、研究の対象となったのは、大腸とリンパ節に腫瘍が転移するIII期の大腸ガン患者1009人。

 研究チームは、対象患者が腫瘍摘出手術や放射線治療を受けるにあたり、これまでの食習慣に関する質問を実施。また、患者の放射線治療期間が終了する約半年後に再び食事内容に関する聞き取り調査を行った。

 その結果、患者の食習慣は、赤身肉など脂肪を多く含む食事やパンや菓子などを好む「欧米型」と、鶏肉、魚、野菜や果物を多く摂取する「節制型」の2つのタイプに分かれた。

 研究チームは、引き続き調査対象患者を5年間にわたって追跡調査したところ、324人が大腸ガンを再発し、このうち223人が死亡した。この他、28人は大腸ガンの再発とは別の原因で死亡していた。

 「欧米型」食生活の患者が大腸ガンを再発させる可能性は、「節制型」患者の3.5倍だった。一方、「節制型」食生活と大腸ガン再発の間には、現段階では有意の関連性は認められず、研究チームは「さらなる分析が必要だ」としている。

 同チームの研究結果は、米医学雑誌「Journal of the American Medical AssociationJAMA)」の8月15日号で発表される。(c)AFP