【7月19日 AFP】ノルウェー政府が来年半ばをめどに導入を検討している買春禁止法について、売春婦の支援団体が、性産業従事者の立場をさらに弱体化するとして反対している。

 法案によると買春した男性は最高6月の懲役と罰金が科せられることになるが、売春婦の支援団体は効力を疑問視している。

 首都オスロ(Oslo)にある団体の代表は「街頭での売春はなくなるだろうが、室内や外国での売春を禁止することはできない」と指摘する。

 また、風俗業界で働く人々の立場がますます弱まるとの見方もでている。

 現在この法案については政府が関連団体と協議を行っており、2008年半ばには議会審議が始まる予定。連立与党が支持を表明しているため、可決はほぼ確実。

 ノルウェーの風俗産業で働く女性の中で、街頭で客を取るのは全体の40%。残りの60%はホテルやマッサージパーラーなど屋内で仕事をしている。

 街頭にたつ80%がルーマニア、ブルガリアやナイジェリアなど外国から人身売買などにより入国した女性。またこの産業のノルウェー人女性の多くは薬物中毒だという。

 近年首都オスロの中心部で売春が目立つようになり、禁止を求める声が高まっていた。

 この法案は隣国スウェーデンで1999年に導入された法律にならったもの。(c)AFP/Gwladys Fouche