【7月18日 AFP】ブラジルのサンパウロ(Sao Paulo)のコンゴーニャス(Congonhas)空港で17日に着陸に失敗し、炎上したポルトアレグレ(Porto Alegre)発TAM航空(TAM Airlines)3054便の事故による死者は200人に上るとみられ、ブラジル史上最悪の航空機事故となる可能性が出てきた。

 サンパウロ州のホセ・セラ(Jose Serra)州知事は、炎上時の温度はセ氏1000度にも達し、乗員乗客176人のうち生存者は皆無だろうと語った。救急隊員によると、さらに事故機が激突したTAM航空関連の施設などにいた25人前後も死亡したとみられる。

 18日午前までに現場から56遺体が回収された。また2人が病院搬送後に死亡した。発見された死者のうち16人は、激突された建物内およびその周辺にいたもよう。

 事故を起こしたエアバスA320型機は現地時間の17日午後6時50分ごろ、同空港に着陸しようとしたところ、雨でぬれた滑走路で滑り、幹線道路に飛び出した後、同社関連の3階建ての施設に激突して炎上した。同機は建物内に深く突っ込み、外部からは尾翼部分が見えるだけだという。

 目撃者は「滑走路の終わりに来たところで事故機は加速した。道路を避けるために再度、離陸しようとしたようだが建物に突っ込み、爆発した」と語った。

 同空港はブラジル国内でも最も発着便の多い空港だが、滑走路が短く滑りやすいこと、市街地に隣接していることなどで悪評が高かった。前日の16日にも、同じ滑走路で他の航空機が滑ったばかりだった。

 地元紙「フォリャ・デ・サンパウロ(Folha de Sao Paulo)」オンライン版によると、サンパウロ市消防局のManuel Antonio da Silva Araujo部長は、死者は200人に上ると発表した。また、消防隊の救助活動を支援したダグラス・フェラーリ(Douglas Ferrari)医師はAFPに対し、「自分は機体の周りで焼け焦げた25遺体と、車の中で亡くなったカップル2人の遺体を確認した」と述べた。激突された建物にいた人たちの多くは、窓から飛び降りていたという。また道路沿いに店を出していた露天商は、当時、大勢の人が道路上にいたと証言した。

 同機が出発したポルトアレグレの空港では、事故に遭った乗客乗員の親族や友人たちが情報の到着を待っていたが、その多くは泣き崩れていた。

 ルイス・イナシオ・ルラ・ダシルバ(Luiz Inacio Lula da Silva)大統領は、3日間を「国喪に服する日」とすると宣言した。(c)AFP