【7月18日 AFP】中国2大河川の水源付近の湿原が縮小しており、川の水量が減少するなどアジア全土に深刻な影響を与える恐れがあるとする中国科学院(Chinese Academy of Sciences)の研究が発表された。16日、英字紙チャイナ・デーリー(China Dail)が伝えた。

 研究によると、湿原は水を蓄え川の水量を調節する上で重要な役割を担っているが、長江(Yangtze)と黄河(Yellow rivers)の水量を決める青海チベット高原の湿原は、過去40年で10%以上も減少している。特に、長江の水源に当たる湿原は29%も減少、その付近の小さな湖も17.5%減少した。

 これまでも青海チベット高原における地球温暖化の影響が指摘されているが、この地域は地球環境の健全性を正確に示す指標と考えられており、専門家はこの結果を重く見ている。

 さらにこの高原は、ガンジス川(Ganges)、ブラマプトラ川(Brahmaputra)、インダス川(Indus)、メコン川(Mekong)の水源でもあり、川沿いに暮らすおよそ30億人の生活に影響を及ぼす恐れがある。

 同院の研究員Wang Xugenさんは「高原の湿原の減少は地球温暖化と密接な関係がある」とみている。Wang研究員によれば、気候変化でこの地域の雨量が増えても、気温が上昇しているため短時間で蒸発してしまい、川の水量が増えることはないという。

 中国ではすでに経済の急成長に伴う水の需要が急増しており、供給が追いつかない状況となっている。(c)AFP