【6月28日 AFP】インターネット上での匿名による悪質なコメントの書き込みなどを防ぐため、韓国では28日から、実名を強制する新システムが導入された。

 「インターネット実名制」とも呼ばれるこの制度のもと、大手インターネット企業は、ユーザIDの記録を強いられることになる。

 さらにサイト管理者は、悪質な誹謗中傷が投稿され、名誉毀損やプライバシー侵害行為などの被害を訴えたい者がいる場合は、攻撃を行った人物の名前や住所などの個人情報を公開することも強制される。

 「本日より、ユーザは書き込みをする前に、実名と社会保障番号を提示するよう求められます」3800万人の利用者を誇るポータルサイト大手のダウム(Daum)の広報担当はこのように語った。

 多くの有名人がネット上での悪質な書き込みの被害者となっている韓国では、ネット上での言葉の暴力が社会問題となっている。

 専門家によれば、多くのインターネットユーザが、その匿名性を利用し、サイト上に悪質なコメントを書き込み、有名人のセックススキャンダルや美容整形疑惑などを攻撃しているという。

 女優のチョン・ダビン(Jeong Da-Bin)さんや歌手のユニ(Yuni)さんが本年初頭、同様の誹謗中傷に合い、相次いで自殺している。

 ダウムやネイバー(Naver)など、33のポータルサイトが、今回の規制の対象となった。

 韓国は、世界で最もインターネットが普及している国の1つであり、4800万人の国民の約3分の1が高速インターネットを利用しているという。(c)AFP