【6月28日 AFP】国際サッカー連盟(FIFA)の理事会が27日、チューリヒで開催され、ラテンアメリカ諸国からの反発が強かった高地での国際試合開催を禁止する規制が緩和されることになった。

 会見に臨んだFIFAのジョセフ・ゼップ・ブラッター(Joseph Sepp Blatter)会長は「選手の健康を考慮して決定した」と強調した上で「医学的な観点から制限を最高で2500メートルにした。しかし、制限の許容範囲は3000メートル未満まで引き上げてることになるかもしれない。我々は医療問題に関しては余裕を持たなくてはならない」と説明し、サッカーW杯の予選に限り規制の上限を標高3000メートルまで緩和することを示唆した。

 また同会長は「状況はラテンアメリカ諸国の為に簡素化にされるべきだ」とも語り、ラテンアメリカの国同士の対戦や地域のトーナメントなども許容範囲に入ると付け加えた。

 今回のFIFAによる決定は、南米サッカー連盟(コンメボル:CONMEBOL)の撤回要請を反映させたものとなり、2010年サッカーW杯南アフリカ大会(2010 World Cup)予選において標高の低い国が高地でプレーすることに適応する時間が得られるかどうか調査されることが含まれた上でコロンビアのボゴタ(標高2640メートル)とエクアドルのキト(標高2800メートル)での開催が許されることとなる。

 その一方で、ペルーのクスコ(標高3300メートル)やボリビアのラパス(標高3577メートル)などは、エボ・モラレス(Evo Morales)大統領からの激しい抗議があったにも関わらず、スタジアムの使用が認められなかった。

 またブラッター会長は、より詳しく調査した上で高地問題に関する会議を10月に開くことを明らかにし、「我々は会議が開催されるまでこの問題において柔軟に対応していくつもりである」とコメントした。

(c)AFP/Peter Capella