【6月27日 AFP】英首相が退陣する27日に発売される大衆紙「サン(The Sun)」に、ジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)米大統領が、トニー・ブレア(Tony Blair)ブレア首相との数々の思い出を語ったインタビューが掲載される。

 ブレア首相は、2003年の米軍によるイラク侵攻を支持し、2006年にもレバノンを空爆したイスラエル批判を控えるなど米国寄りの姿勢を貫いたことから、「ブッシュのプードル」との呼ばれていた。ブッシュ大統領は、これを承知しているとしながら、「外野が騒いでいるにすぎない。馬鹿げた嘲笑にまともに対処する必要などない」と述べ、ブレア首相の役割は「プードル以上だった」と語った。

 また、支持者だけでなく政敵からも称賛を浴びたブレア首相の話力をうらやましく思っていたと明かした。「トニーの言葉は明確で、彼の話力は素晴らしい。自分も彼のようにしゃべれたらと思う。彼は本当に、ちゃんと思いを言葉で伝えられるのだ。米国でも何度か感動的な演説をしてくれた。ブレア首相が優れた書き手であることは明らかだが、演説家としても一流だ」と述べた。

 一方、両者では話法がかなり異なることも認め、「ブレア首相の演説スタイルは高尚で雄弁なものだが、私はもっとストレートな語り方を心がけている」とも語った。

 このほか、ブッシュ大統領は、自身が任期を終える2008年まで首相にとどまるようブレア首相に説得した事実を明かした。「身勝手なことだが、トニーにこう言った。『僕が辞めるまで首相でいてほしい』ってね」

 10年間首相を務めたブレア氏は、27日、労働党首の座を盟友でライバルでもあるゴードン・ブラウン(Gordon Brown)財務相に譲る。議会では与党労働党が多数派を占めることから、ブラウン氏が自動的に後任の首相となる。(c)AFP