【6月24日 AFP】アフガニスタンに展開する北大西洋条約機構(NATO)軍主導の国際治安支援部隊(International Security Assistance ForceISAF)および米軍主導の多国籍軍による作戦により、過去1週間で民間人約90人が死亡したことに対し、ハミド・カルザイ(Hamid Karzai)大統領は23日、作戦行動が「無差別で正確性に欠ける」と厳しく非難した。

 厳しい表情のカルザイ大統領は、南部ウルズガン(Uruzgan)州での3日間の戦闘で民間人52人が死亡したことに触れ、「以前から言っているように、戦闘で民間人が犠牲になることは受け入れられない。これ以上の犠牲は容認できない」と記者団に語った。

 同大統領はまた、22日早朝に南部ヘルマンド(Helmand)州でISAFが行った作戦で女性9人、子供3人を含む25人が死亡したことにも言及。民間人の被害を食い止めるため、ISAFと多国籍軍にアフガン政府と連携するよう「繰り返し求めてきたが無視され続けた」と語り、「今後は、わが国の方針に従い両軍が作戦を行うよう断固要求する」と述べた。

 非政府組織(NGO)の連絡会議は前週、今年に入りISAFと多国籍軍などによる攻撃で民間人250人近くが犠牲になったと発表している。

 民間人犠牲の原因としてカルザイ大統領は、「武力の濫用、必要以上の激しい攻撃、アフガン政府との連携欠如」を挙げ、「37キロ先にいるテロリストを狙い砲撃すれば、民間人に犠牲者が出ないはずがない」と述べた。

 さらに同大統領は、反政府勢力を掃討する上でアフガン国民は国際社会の協力に感謝していると話す一方で、「国民の生命は、安価なものとして扱われるべきではない」と指摘。多くのアフガン国民が抱く「外国部隊は横柄で、文化的に無神経」との感情を代弁した。(c)AFP/Sardar Ahmad