【6月21日 AFP】川田工業は21日、同社が開発した次世代型二足歩行ロボットを報道陣に公開した。このロボットは、豪雨の中や滑りやすい床の上でも歩行が可能だという。

 川田工業は、川崎重工業産業技術総合研究所(産総研)との共同プレスリリースのなかで、「3団体が共同して、実環境で働く人間型ロボット:HRP-3 Promet Mk-IIを開発した」と発表した。

 この人間型ロボット「HRP-3 Promet Mk-II(プロメテマークツー)」は、報道陣が見守る中、砂をまいて滑りやすくした床の上を歩いたり、シャワーの下で両腕を広げて見せるなどした。右手で電動インパクトレンチを使う実技も披露したが、作業中は人間と同様に左腕の上に身を乗り出してバランスをとった。

 「HRP-3 Promet Mk-II」は身長160センチ、体重はバッテリを含め68キロ。白色で、頭部にはバイザー付きで、映画『スターウォーズ(Star Wars)』シリーズに登場した帝国軍のストームトルーパー(Stormtrooper)に似た風ぼうだ。

 開発の経緯について川田工業はプレスリリースのなかで、「日本は急速に高齢化社会に突入しており、人間が行う作業を代行できるロボットの実現が21世紀初頭の急務となっている。人間の機能を代行出来る人間型ロボットが実現すれば、社会的コストの低減も図れる」と説明する。

 また、将来的には「HRP-3 Promet Mk-II」の商業的利用を期待しているという。同社プロジェクトマネージャーによると、2010年までに1台1500万円で建設会社などへの販売を目指す。今後の展望について、同マネージャーは、工事関係車両の運転など、ロボットが建設現場で行う作業を増やしていきたいと語った。

 世界のロボット産業において、日本は製造からエンターテイメント、警備まで幅広い分野のロボットを手掛ける先駆者だ。前週にも三菱重工が、企業や病院の受付用に人型ロボットの貸し出しを始めると発表している。(c)AFP