【6月19日 AFP】サッカー、イタリア・セリエA。2006-07シーズンの欧州チャンピオンズリーグ(Champions League)で同大会通算7度目の優勝を果たしたACミラン(AC Milan)のアドリアーノ・ガッリアーニ(Adriano Galliani)副会長は、スペイン・リーガエスパニョーラ1部のバルセロナ(Barcelona)に所属するカメルーン代表のFWサミュエル・エトー(Samuel Eto’o)の獲得に照準を絞っていることを明らかにした。

 ガッリアーニ副会長は「ミランの07-08シーズンに向けてのメインターゲットはサミュエル・エトーだ。財源が確保できバルセロナが移籍を容認する構えなら、我々はエトー獲得に動くだろう」と語り、獲得が有力とされていた同じくバルセロナのロナウジーニョ(Ronaldinho)や、05-06シーズン終了後にミランからイングランド・プレミアリーグのチェルシー(Chelsea)に移籍し、ミラン復帰が噂されていたアンドリー・シェフチェンコ(Andriy Shevchenko)ではなく、エトーの獲得を最優先にしていることを明らかにした。

 2004年にマジョルカ(Mallorca)からバルセロナに移籍したエトーは、加入以来ゴールを量産しチームのリーグ連覇と05-06シーズンには欧州チャンピオンズリーグ制覇に大きく貢献したが、18日に行われたリーグ最終節でレアル・マドリード(Real Madrid)にリーグ3連覇を阻止され06-07シーズンのバルセロナは無冠に終わっており、エトーやロナウジーニョはこの事実に大きく動揺しているとされている。

 また、移籍金4500万ユーロ(当時約63億円)でチェルシーに移籍したシェフチェンコは、移籍1年目の06-07シーズンは僅かリーグ4得点に終わるなどイングランドで失意のシーズンを送っており、7シーズン所属した古巣ミランへの復帰が囁かれていた。

 「ロナウジーニョは『売り物ではない』とのことだ」と語り、ロナウジーニョの獲得に動いていた事実を認めたガッリアーニ副会長は、さらに「我々がエトーであれシェフチェンコであれ優秀なストライカーを求めているのは事実だが、いかなる犠牲を払ってでも補強する必要性に駆られている訳ではないので、何が起きても冷静さを失うことはない。我々は移籍金や給料の妥当性に重点を置いており、その条件が満たされなければ現陣容に全てを託すことになる」と語り、前線を補強する考えながらもその緊急性は低いことを明言した。(c)AFP