【6月18日 AFP】最後の船外活動を終えたスペースシャトル「アトランティス(Atlantis)」の乗組員は18日、国際宇宙ステーション(International Space StationISS)とのドッキング(結合)解除や地球への帰還に向け、準備を進めている。

 米航空宇宙局(NASA)の発表によると、ISSとアトランティスの間のハッチは午後6時23分に閉じられ、アトランティスは19日午前10時42分、ドッキングを解除する予定だという。

 17日の船外活動では、パトリック・フォレスター(Patrick Forrester)、スティーブン・スワンソン(Steven Swanson)両宇宙飛行士が6時間29分かけて、ISSに新たに設置されたトラスセグメント上の発電機を稼働させるなど、すべての任務を成功裏に終了した。

 このトラスセグメントは、アトランティスで運搬されて11日にISSに設置されたもので、2枚の翼状の太陽電池パネルが取り付けられている。両翼を広げると長さ73メートルになる同パネルは常時太陽の方向を向き、20キロワットの電力をISSに供給する。

 このほかにフォレスター飛行士とスワンソン飛行士は、米国製結合用モジュール「ユニティ(Unity)」へのコンピューター・ネットワーク・ケーブルの取り付け、衛星利用測位システム(GPS)用アンテナの取り外し、実験棟「デスティニー(Destiny)」へのデブリ(宇宙ごみ)防護材取り付けなどを行った。

 打ち上げ時に損傷した外壁の断熱材を修理するため飛行期間を2日延長したアトランティスは21日、13日間の任務を終えて帰還する。NASA関係者は、断熱材の損傷により、船体が大気圏再突入の高温に耐えられないのではないかと懸念していた。

 NASAは17日、故障により48時間のシステム停止を引き起こしたISSのホスト・コンピューターは復旧し、正常に稼働し始めたと発表した。18日に、ISSを軌道上で操作するコンピューター制御式の推進モーターをテストし、結果が良ければアトランティスは19日、ISSとのドッキングを解除する。

 関係者の話によると、ロシアは、故障したコンピューターの交換部品をISSに運ぶため、8月に予定していた「プログレス(Progress)補給船」の打ち上げを7月23日に前倒しする可能性があるという。(c)AFP/Jean-Louis Santini