【6月14日 AFP】メキシコを代表する画家フリーダ・カーロ(Frida Khalo、1907-1954)の生誕100年を記念する展覧会が13日、メキシコシティ(Mexico City)市内のMuseum of the Fine Arts Palaceで始まった。過激な政治姿勢や家庭生活を明らかにする未発表資料の展示を含め、カーロを多角的に紹介する史上最大規模の展覧会は、8月19日まで開催される。

■カーロの世界を展望する多彩な資料

 8室にわたって展示される354点の作品は、69の団体やコレクターから集められたもので、メキシコでは初展示となる作品も含まれる。
 絵画や手紙を使った展示では、カーロの芸術的な足跡と同時に、33回におよぶ手術とそれに伴う苦痛、壁画家のディエゴ・リベラ(Diego Rivera、1886-1957)との結婚、米国時代、政治活動といった困難に満ちた人生エピソードが紹介される。
 カーロはリベラと2度結婚し、ロシアの革命家レオン・トロツキー(Leon Trotsky)とも親密な友好関係にあった。
 浮気性のリベラから精神的苦痛を与えられ、ポリオとバス事故の後遺症で肉体的苦痛にもさいなまれていた。

■知られざる人生に迫る

 学芸員のJuan Coronel Riveraさんは、同展を「フリーダ・カーロの見事な自画像」とした。
 Riveraさんは彼女の人気を、パブロ・ピカソ(Pablo Picasso)並みだとし、「カーロは民衆の中にあり、普遍的なアイコン」だと語った。
 独特の自画像のほか、政治生活の紹介に1室があてられている。共産党支持、トロツキーや同時代の大人物との友情が、写真やオリジナル資料によって明らかにされている。 
 家庭生活や、教師、写真モデルをしていた、あまり知られていない若いころの写真を集めた「個人的な」スペースもある。
 主催者によれば、カーロを芸術家たらしめるのに、多大な創造的影響を与えたと考えられている、カーロの父、Guillermo Kahloを紹介するコーナーも設けられている。(c)AFP