【6月12日 AFP】2008年の北京五輪を前に、北京市は、つば吐きや列の割り込みの禁止、笑顔の奨励といったマナー向上キャンペーンを大々的に繰り広げている。その一環として、デパートやスーパーでは「列に並ぼうキャンペーン」が2月に開始され、毎月11日を「列に並ぶ日」に定めて買物マナーの向上を目指している。

 「列に並ぶ日」5日目となったこの日、赤いたすきをかけた市の幹部やボランティアらが市内のデパートに繰り出し、エスカレーターやレジで列の順番を守ることなどを呼びかけた。

 あるデパートの課長は、「買物客は、セールの時などは『列に並ぶのは時間の無駄』と考え、時に乱暴になります。したがって(キャンペーンは)いいことだと思います」と語った。

 マナー向上キャンペーンを担当する市の職員は、笑顔で応対するデパートの受付の女性を横目で見ながら、「効果は上がりつつあります。ただし五輪開催時にお客様を最良の笑顔でお迎えするには、もっと努力が必要ですが」と語った。

 55万人の外国人観光客の訪問が見込まれる2008年の北京五輪は、「新しい北京、偉大なオリンピック」のスローガンのもと、新興経済大国としてだけではなく国際社会に通用する国としてのお披露目の場となる。(c)AFP