【6月8日 AFP】カナダのオンタリオ(Ontario)州で7日、電動車イスで公道を「飲酒運転」した男に対し、道路交通法違反による罰金刑が科せられた。

 警察当局によれば、電動車イスを「飲酒運転」していたのはパトリック・シャナハン被告(35)で、自称アルコール中毒者だという。この男、車イスを必要とする障害者ではなく、乗っていたのは借り物だった。

 同州ピール(Peel)地区警察の話によると、シャナハン被告は2004年12月の深夜1時15分ごろ、トロント(Toronto)郊外のパブで酒を飲んだ後、電動車イスで帰宅する途上で逮捕された。「警察官が、公道を蛇行運転している電動車イスを発見。制止を命じたところ、シャナハン容疑者からアルコールが検出されたので『飲酒運転』で逮捕した」という。

 一方、シャナハン被告は地元紙Torstar News Serviceに対して、「車イスの運転に、免許証も自動車保険も必要ないだろう? 車イスにはナンバープレートだってついていない。それなのになぜ、『車イスの飲酒運転』で逮捕されなきゃならないんだ?」との言い分を主張。

 しかし、裁判所の見解は違ったようだ。結局、シャナハン被告は600カナダドル(約7万円)の罰金が科せられ、1年6月の保護観察処分を受けることとなった。保護観察期間中、同被告は「電動の乗り物すべて」の運転を禁じられる。

 シャナハン被告は以前にも飲酒運転での逮捕歴があるが、この時運転していたのは、車イスではなく普通車だった。(c)AFP