【5月25日 AFP】2006年9月の軍事クーデターで政権の座を追われ海外生活を送っているタクシン・シナワット(Thaksin Shinawatra)元首相が、モスクワ(Moscow)のマクドナルドで食事中に、スーツケースを盗まれていたことがわかった。タイ政府が25日、明らかにした

 スーツケースにはタクシン元首相のパスポートや現金数千ドルが入っていたという。元首相の弁護士の話では、スーツケースの中には、米ドル、英ポンド、露ルーブルで総額8700ドル(約105万円)を上る現金が入っていた。

 バンコク・ポスト(Bangkok Post)紙の報道によると、元首相の汚職疑惑調査団の訴訟関連書類も含まれていたという。タクシン元首相は、同調査団に対する訴訟の準備を進めていた。

 タイ外交省筋によると、タクシン元首相はロシア警察に盗難届けを提出したあと、モスクワのタイ大使館でパスポートの再発行申請を行い、暫定パスポートを受け取ったという。

 クーデター以後、自らの意志で亡命生活を続けるタクシン元首相は、モスクワの経済アカデミーでの名誉学位授与式に出席するため、21日から同地に滞在していた。(c)AFP