【ディリ/東ティモール 11日 AFP】9日投票が行われた東ティモール(East Timor)大統領選挙の決選投票で、当選確実となったノーベル平和賞(Nobel Peace Prize)受賞者のラモス・ホルタ(Jose Ramos Horta)首相は10日、1年にわたる騒乱と政情不安に揺れる同国の統一に全力を尽くすと公約した。

 開票率90%の時点で得票率73%と、圧勝をほぼ確実にしたホルタ首相は、「わたしに投票してくれた人々の期待と信頼を裏切ることなく、国民の声に耳を傾けながら職務を全うしていきたい」と決意表明するとともに、敗れた最大政党フレティリン(Fretilin)のフランシスコ・グテレス(Francisco Guterres、通称「ルオロ(Lu-Olo)」)党首と協調していく考えを示した。

「任期の5年間はやるべきことがたくさんあるが、国民とともに取り組み、フレティリンとも協力する。フレティリン指導部は『選挙に敗れた』とは思わなくなるだろう」(ホルタ首相)

 首相はまた、早ければ11日に予定されている公式の結果発表までは、勝利宣言をしないとも述べた。

 今回の選挙は、2002年のインドネシア(Indonesia)からの独立後初の大統領選挙で、高い投票率を記録した。選挙管理委員会が10日発表したところによると、開票率90%時点のホルタ首相の得票数は27万3685票で、対するルオロ党首は10万1374票だった。

 ルオロ党首は現時点でコメントを出していない。

 東ティモールの大統領は「儀礼上」の国家元首だが、シャナナ・グスマン(Xanana Gusmao)大統領の後継者には、前年5月の騒乱以来悪化している治安の回復が課題として託される。

 写真は10日、首都ディリ(Dili)で会見するホルタ首相。(c)AFP/Bay ISMOYO