【キエフ/ウクライナ 8日 AFP】政府当局によると7日、ロシアから欧州連合(EU)へ天然ガスを輸出している主要パイプラインの1つが爆発し、輸送が停止した。ただし供給自体に影響はないもよう。

 非常事態省のViktoria Ruban報道官によると、シベリアからウクライナを経由してドイツやほかの欧州各国にガスを運ぶパイプラインが「大きな爆発」によって切断された。

 爆発は現地時間の午後2時25分ごろ首都キエフ(Kiev)に近い場所で発生し、長さ30メートルのパイプが破裂、150メートール離れたところまで破片が飛び散った。

 天然ガスの採掘、輸出を独占するロシア企業であるガスプロム(Gazprom)は供給に問題はないとし、「欧州各国へのガス供給に制限は起きていない」との声明を発表した。世界の主要天然ガス産出国であるロシアにとってEUは最大の天然ガス市場。

 ウクライナの国営企業ナフトガス(Naftogaz)によると、救急隊が現場の火を消し止め、捜査員が爆発の原因を調べている。

 インタファクス(Interfax)通信は、ロシアのウレンゴイ(Urengoi)とウクライナのウシュゴロド(Uzhgorod)を結ぶパイプラインは、年間279億立方メートルに及ぶ天然ガス輸送が可能と伝えており、ガスプロムのホームページによると、2002年の欧州西部向けの全輸出量878億立方メートルのうちかなりの割合を占めている。

 写真は、キエフに近い主要天然ガスパイプラインを囲うフェンスに設置されている「ガスに注意」の表示(2006年1月1日撮影)。(c)AFP/SERGEI SUPINSKY