【ワシントンD.C./米国 24日 AFP】ロシアのボリス・エリツィン(Boris Yeltsin)前大統領が23日、現地時間午後3時45分にモスクワ中央病院で心不全のため死去した。76歳。大統領担当医がインタファクス(Interfax)通信に語った。

 エリツィン前大統領の死去について、米英首脳も弔意を表した。

 米国のジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)大統領は、エリツィン前大統領を「歴史的人物」として、変革の時代に民主主義を根付かせ、また米国と親密な関係を築いたことを称賛し、「エリツィン前大統領のご家族とロシア国民に心よりお悔やみ申し上げます」と述べた。

 英国のトニー・ブレア(Tony Blair)首相は、首相官邸からの声明で、ロシア史上重要な時代にエリツィン前大統領が果たした役割を称賛し、「エリツィン前大統領は民主主義と経済改革の必要性を理解していた素晴らしい人物だった」と述べた。

 また、マーガレット・サッチャー(Margaret Thatcher)、ジョン・メージャー(John Major)両英元首相もエリツィン前大統領に対して称賛の辞を表し、サッチャー元首相は「エリツィン大統領がいなければ、ロシアは共産主義国のままだったろうし、バルト3国も独立していなかっただろう。彼は愛国者そして解放者として称賛されるべき人物だ」と述べた。

 写真は、パリのエリゼ宮(Elysee Palace)でジャック・シラク(Jacques Chirac)仏大統領を訪問したエリツィン前露大統領(2002年9月27日撮影)。(c)AFP/PATRICK KOVARIK