【パリ/フランス 17日 AFP】フランスで大人気の独ロックバンド、『トキオ・ホテル(Tokio Hotel)』の影響で、フランス国内ではドイツ語への興味を持つ若者が増えている。17日、18日にフランスで同グループのコンサートが開催されて以来、ドイツ語を教える語学センター、ゲーテ・インスティチュート(Goethe Institut)には入学の問い合わせが殺到しているという。


■ドイツ語学校は大忙し

 「学生の多くが彼らの歌詞を理解したくて、ドイツ語を学んでいる。この傾向がもし続けば、夏のコースを用意しなければならない」と、パリ同語学センターのディレクターを務めるSabine Belz氏は記者に語った。同センターでは、すでにトキオ・ホテルの歌詞を学ぶ授業も行っている。

 18歳のビル・カウリッツ(Bill Kaulitz)率いる同グループは、17日にパリ(Paris)で、18日にはナンシー(Nancy)でコンサートを開いた。仏国内で有名になった数少ないドイツ人グループとしては、ラムシュタイン(Rammstein)以来のヒット。さらに、多くの曲をドイツ語で歌っていながら、爆発的な人気を誇るのはフランスでは難しい。「ドイツ語への扉を開く、良いきっかけです。長年ドイツ語を教えている先生にとって、好ましい方法ではないかもしれませんがね」と、Belz氏は語る。

 フランスでは90年代以来、ドイツ語を学ぶ生徒の数が急減し、2004年には独仏交流会議がこれに対する対策を投じていた。その甲斐あって、仏国内の小学校でドイツ語を学ぶ生徒が、2004年から2006年の間に25%増加。その上、トキオ・ホテルが行った多大な貢献により、ドイツ語は再び盛り上がりを見せている。


■フランスでの成功は一目瞭然

 トキオ・ホテルは、1stアルバム「トキオ・ホテル(原題:Schrei)」が大ヒットし、ゴールド・ディスク賞を獲得。フランスでのテレビ番組出演の以来も増え続ける一方だ。また2ndアルバム「Zimmer 483」は、発売第1週目にしてチャート第2位の座についた。

 さらに、フランス国内での成功に伴い、公式サイト「Tokio Hotel」は英語版に先駆けて、フランス語版を提供している。

写真は、2007年3月25日にベルリン(Berlin)で開かれたエコー・ミュージック・プライズ(Echo Music Prize)の国内最優秀ビデオ部門で賞を獲得したトキオ・ホテル。左から、ドラムのグスタフ・シェイファー(Gustav Schafer)、ギターのトム・カウリッツ(Tom Kaulitz)、ボーカルのビル・カウリッツ(Bill Kaulitz)とベースのゲオルグ・リスティング(Georg Listing)。(c)AFP/CLEMENS BILAN