【ロンドン/英国 16日 AFP】ロンドン西郊のブライ(Bray)にある有名三つ星レストラン「ファット・ダック(Fat Duck)」はこのたび、音楽を聴きながら食べる新メニューを考案した。

 ファット・ダックは、シェフのヘストン・ブルーメンタール(Heston Blumenthal)氏による創意に富む料理、蒸留や水浴といった科学的調理法、そして、1人最大100ポンド(約2万3000円)の予約キャンセル料で知られる。 

 ユニークなメニューは、エスカルゴのポリッジ(オートミールがゆ)から、ベーコンエッグ味のアイスクリームまで揃う。今回、ここに新たに加えられたのが、「海の音色(Sound of the Sea)」と名付けられた一品。食べながら波の音を聴くことで、味覚を刺激するのだという。

 「海の音色」は、稚ウナギ、マテガイ、カキ、海草といった海の食材を、砂浜に見立てたタピオカの上に盛りつけたもの。

 ブルーメンタール氏は、「スクエア・ミール(Square Meal)」誌のインタビューの中で、3年前にオックスフォード大学(Oxford University)の実験心理学者チャールズ・スペンス(Charles Spence)氏とともにテストを重ねた結果、音楽が味覚を刺激することを発見したと語る。
 「たとえば、カキを食べながら牛や馬の鳴き声を聴いた場合と、波の音を聴いた場合とを比べると、後者のほうが味が濃く、塩気を強く感じることができました」(ブルーメンタール氏)

 同氏はほかにも、ウイスキー風味のグミをスコットランド地図の上に並べたものや、バラの花びらの砂糖漬けをバラの木をモチーフにした彫刻板にちりばめたものなど、新たなメニューを考案したという。

 写真は、店内で写真撮影に応じるブルーメンタール氏(撮影日不明)。(c)AFP