【サンフランシスコ/米国 17日 AFP】利用者参加型オンライン百科事典ウィキペディア(Wikipedia)は16日、同サイト内で死亡説を流された俳優でコメディアンのシンバッド(Sinbad)に対して謝罪した。

■速いスピードで広がる誤情報

 シンバッド(本名:David Adkins)は、ウィキペディア内の自身についての情報に、彼が心臓発作で亡くなったと誰かのいたずらで加えられてから、友人や家族から数多くの心配するメッセージを受け取った。

 「私が考えられるのは、それがいたずらだったということだけです」同サイトの広報係、Sandra Ordonez氏はAFPの取材に対しこのように答えた。「何故シンバッドが標的になったのかは全く分かりません」

 ロサンゼルスを拠点にスタンダップ・コメディアンから俳優に転身したシンバッドは、1996年のアーノルド・シュワルツネッガー(Arnold Schwarzenegger)主演映画「ジングル・オール・ザ・ウェイ(Jingle All the Way)」などに出演している。

■「荒らし」に遭い易いページ

 16日のウィキペディアのシンバッドのページは、「荒らしに対応すべく」一時的に編集が禁止されていた。

 フロリダに拠点を置くウィキペディアは、インターネット上で誰でも編集が可能であるが、マイクロソフト(Microsoft)社のビル・ゲイツ(Bill Gates)氏など、荒らしに遭い易いページは編集をブロックしている。

 ウィキペディアの編集履歴はページ上に保存されており、変更を加えたものは、IPアドレスやユーザー名などで特定される。

 シンバッドのページを荒らした人物は、IPアドレスにより特定され、今後ウィキペディアの編集は禁じられるとOrdonez氏は語る。

 Ordonex氏によると、14日に入力されたこの誤情報は直ぐに修正されたが、犯人がページへのリンクを電子メールで送信していたと見られるため、履歴のページは後に削除されたという。

 間違った情報や悪意のある書き込みは、正しい情報を持つ人や善意ある人によって即座に修正されるという条件の下にウィキペディアは成り立っている。

 同サイトは適格な研究者や専門家らのチェックがないことから、批判の対象になってきた。

 写真はビバリーヒルズで行われたチャリティイベントでステージに登場したシンバッド(2006年10月16日撮影)。(c)AFP/Getty Images David Livingston