【バンコク/タイ 10日 AFP】タイ北部のランパーン県(Lampang)で7日夜、アジア初の人工授精によるゾウの赤ちゃんが誕生した。生まれたのは雄のアジアゾウで、元気な様子だという。この成功により、絶滅が危惧されているこの種の保護に、人工授精が有効であることが期待されている。

 このゾウが生まれたのは、国立ゾウ保護センター(Elephant Conservation Center)が運営する象の専門病院。

 同病院のSittidet Mahasawangkul院長は「アジア初のゾウの人工授精を成功させることができ、将来に向けて大きな希望を得られました。とてもうれしいです」と喜びを語った。

 Sittidet院長によると、母親ゾウのPhang Khodは24歳で、2005年に人工授精が試みられた。生まれた赤ちゃんゾウの体重は約100キロ、体高は90センチで、標準的な数値だという。
 
 2004年に母親ゾウが、3トンもある自分の体で、産まれたばかりの赤ちゃんを押しつぶすという事故があったことから、この親子のゾウは、同病院で24時間の監視下に置かれるという。

 写真は8日、人工授精で生まれた赤ちゃんゾウと母親ゾウ。(c) AFP/Elephant Conservation Center