【ニューヨーク/米国 27日 AFP】米投資ファンドのテキサス・パシフィック・グループ(Texas Pacific Group)とコールバーグ・クラビス・ロバーツ(Kohlberg Kravis Roberts)は26日、テキサス州最大の電力会社TXUの買収を発表した。買収総額は450億ドル(約5兆4000億円)で、米国のファンドによる企業買収としては過去最大規模。これまでの最高最大の企業買収総額は、390億ドル(約4兆7330億円)だった。

 買収には米大手証券のゴールドマン・サックスも加わる。

 両社の合同声明によると、TXU1株につき22日から20日間の平均株価に25%、および23日の株価に20%のプレミアムを上乗せした価格を提示し、TUXが抱える120億ドルの債務も引き受けるという。

 両社は、電力料金を10%引き下げるほか、火力発電所の建設計画を75%縮小し、建設するのは3か所のみとする方針を示している。さらに、環境への配慮を強化し代替エネルギーへの投資を積極的に行うとしている。

 TXUはダラス(Dallas)を拠点とする米電気会社大手。最近、石炭火力発電所を11か所建設する計画を発表したことから、消費者や環境保護団体から非難を受けていた。

 テキサス・パシフィック・グループとコールバーグ・クラビス・ロバーツはTXU株を一株69.25ドルで買い取ることを提案しているが、TXUの理事会は4月16日まで対抗買収を要請することもできる。

 金利が低く世界経済の成長が過去5年間活発だったことから、資金調達が容易な状況となり、企業連合による企業買収が急激に増加しつつある中、今回の買収は史上最大の規模のものとなった。

 投資ファンドによる、いわゆるレバレッジド・バイアウト(LBO)方式による今回の買収により、規制当局や欧州の企業の従業員らの間で危機感が高まっているという。

 写真はテキサス州に設置された風力発電設備。(c)AFP/DEPARTMENT OF ENERGY