【東京 20日 AFP】トラックメーカー大手、日産ディーゼル工業は20日、同社の筆頭株主であるスウェーデンの自動車大手、ボルボ(Volvo)による株式公開買い付け(TOB)に賛同したと発表した。

 ボルボは現在、日産ディーゼルの筆頭株主として18.98%を保有するほか、優先株式27.5%も保有している。今回のTOBでは、残りの日産ディーゼル株すべてに対し、10億ドル(約1198億5000万円)での買い付けを申し入れた。

 日産ディーゼルは20日、同社ウェブサイトに意見表明を発表し、「本日の取締役会において、ボルボより提案された当社の完全子会社化を目的に実施されるTOBについて、賛同の意を表明することを決議した」「今後の厳しい経営環境下において、また世界的な環境規制強化に対応する企業競争に勝ち抜き成長していくためには、ボルボ・グループとの一体的な経営体制が有効と考えた」と述べた。

■日産ディーゼル株は監理ポストに

 東京証券取引所は同日、発表を受け、日産ディーゼル株を監理ポストに割り当てた。ボルボグループの完全子会社となった段階で上場は廃止される。ボルボでは21日から3月23日までのTOB期間22日間で、株式保有比率を100%に引き上げる計画。TOB価格は1株540円(買収総額は1683億円)。

 日産ディーゼルの筆頭株主は、前年9月までは国内自動車2位の日産自動車だったが、同社はコアビジネスである乗用車と小型商用車事業に集中するため、保有していた日産ディーゼル株すべてをボルボに売却し、日産ディーゼルとの資本提携を解消していた。

 写真は日産自動車本社で、同社保有の日産ディーゼル株売却について開かれた記者会見時のボルボのリーフ・ヨハンソン(Leif Johansson)社長兼CEO(右)、カルロス・ゴーン(Carlos Ghosn)日産自動車社長(左)、仲村巌日産ディーゼル工業社長(2006年3月21日撮影)。(c)AFP/YOSHIKAZU TSUNO