【鄭州市/中国 18日 AFP】政府当局は17日、自宅軟禁中の著名なエイズ(AIDS)活動家、高耀潔(Gao Yaojie)氏に、女性の社会的地位の向上を目指すNGO団体、「バイタル・ボイス・グローバル・パートナーシップ(Vital Voices Global Partnership)」が3月にワシントンで開催する授賞式への出席を認めた。

 元医師の高氏は、政府公認の血液を輸血され、HIV/AIDSに感染した農民らの窮状を公開するなど、エイズ問題について積極的な活動を展開。政府当局は同授賞式への出席を阻止するため、2月始めから同氏を自宅軟禁下に置いていた。

 高氏によると、胡錦濤(Hu Jintao)国家主席が授賞式への出席を許可し、さらに見張りの警察隊を撤退させたという。  

■クリントン上院議員からの手簡

 同氏はAFPに対し「16日夜、河南(Henan)省政府および省政府党内の委員会を代表して、同省のChen Guangguo副党書記が自宅を訪問し、授賞式参加が許可されたと伝えられた。また、17日の午前中には授賞式の関係者から連絡があり、ヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)米上院議員が、胡国家主席へ感謝の書簡を送ったことも聞かされた。胡国家主席が渡米を許可してくれた」と語った。クリントン米上院議員は胡国家主席と呉儀(Wu Yi)副首相宛てに、高氏の授賞式出席の許可を願う書簡を書いていた。

 高氏は授賞式へ臨むにあたり、次のように述べている。「出発までに政府当局が決定を変える恐れもあるが、警察が撤退したというのは事実。私は80歳なので、あまり多くの時間は残されていない。しかし、エイズ問題は中国人にとって悲劇そのもの。今回の賞は私個人ではなく、中国国民へ贈られるものと考える」

 高氏は23日に北京(Beijin)に移動し、26日に米国へ出発する予定。

 写真は、河南省鄭州(Zhengzhou)市の自宅で撮影に臨む高氏(2006年8月2日撮影)。(c)AFP/Peter PARKS