【ミュンヘン/ドイツ 11日 AFP】南部の都市ミュンヘン(MUNICH)で9日から3日間の日程で開催されている第43回「ミュンヘン国防政策国際会議(Munich Conference on Security Policy)」に参加したロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は10日、米国の政策に言及、批判した。

 演説でプーチン大統領は、「米国の一方的な行動は問題を解決しておらず、人道的な悲劇や緊張をもたらしている」と述べ、「政治、経済、人道などあらゆる側面において行き過ぎている」と続けた。

 プーチン大統領は、「地域的、局地的な紛争の発生数は減少しておらず、死者の数はむしろ増大している」と述べ、「米国はあらゆる紛争に関与してきたが、それらの解決をもたらすことはなかった」と続けた。

 また米国がロシアと国境を接するポーランドやチェコにミサイル防衛システムの配備を計画していることについては、「なぜロシアとの国境に軍事施設を配備する必要があるのか。今日における世界的な脅威とは何か。それはテロリズムに他ならない」と述べ、「同盟のさらなる拡大は不適当だ」と語った。

 専門家によれば、ソ連崩壊に伴い発生した経済破綻からのロシアの威信回復を目指すプーチン政権下において、ロシアと米国の関係は悪化しているという。

 写真は9日、会議での演説に臨むプーチン大統領。(c)AFP/DDP/OLIVER LANG