【北京/中国 11日 AFP】北朝鮮の核問題をめぐる6か国協議の3日目となる10日、議長国の中国は各国と相次いで会談を開き、核放棄に向けた初期段階の措置のアウトラインをとりまとめた合意文書案について協議しているが、核心となるいくつかの争点について調整は難航している。

 米主席代表のクリストファー・ヒル(Christopher Hill)国務次官補は記者団に対し、「解決すべき事項はいくつか残されているが、争点は一つである」と述べた。

 合意文書案には、北朝鮮は2か月以内に寧辺(Yongbyon)の5メガワットの原子炉を含む主要な核施設を閉鎖し、見返りとして代替エネルギーが供給されるなどの内容が盛り込まれている。

 ロシア代表のアレクサンドル・ロシュコフ(Alexander Losyukov)外務次官は中国国営の新華社通信(Xinhua)に対し、「共同声明が発表され、協議は終了するだろう。北朝鮮は声明の文言を気にしているのだ」と述べた。

 同通信によれば、中国は北朝鮮への支援の方法などの点について、合意文書の修正案をまとめているという。

 外務省の佐々江賢一郎アジア大洋州局長は、米国による経済制裁を理由に北朝鮮が合意を拒否した2005年9月の例を引き合いとして、「協議は厳しい局面を迎えている。北朝鮮の立場と5か国の立場のバランスが問題である」と述べた。

 写真は、咸鏡(Hamgyong)の大学を視察する金正日(Kim Jong-Il)総書記(北朝鮮国営朝鮮中央通信提供、8日)。(c)AFP/KCNA via KNS