【北京/中国 7日 AFP】北朝鮮の核問題をめぐる6か国協議再開を前に7日、事前協議のため北京入りした米主席代表クリストファー・ヒル(Christopher Hill)国務次官補(東アジア・太平洋担当)は、「北朝鮮が即時に核兵器を放棄することはないだろう」と見解を述べた。

 北京空港に到着したヒル次官補は、繰り返し述べている自身の期待を再強調し、2005年9月の共同声明で明記された「核放棄」を具体的に実施するよう、北朝鮮への説得を開始したいと語った。さらに「真の成功は、共同声明が完了された時にもたらされるのだと強調したい。声明を具体化する処置の着手だけではなく、それを完了した時にだ。それらを今週終えるつもり我々にははない。今回(の会議)は最初の良き1歩となるだろう。我々は今後を見守る」と述べた。

 6か国協議は大きな進展のないまま断続的に開催され、第1回目の協議から4年が近づく今回、ようやく「最初の1歩」を踏み出せるかといった状況だ。

 2005年の共同声明では明記された「核放棄」をよそに、北朝鮮は昨年10月に初の核実験を実施した。以降、米国は北朝鮮に核武装解除を説得するため、異例の米朝2カ国協議を行ってきた。

 米国政府は制裁に関する強硬姿勢を変えてはいないが、北朝鮮が核放棄に向けた「初期段階の措置」に取り組むことの見返りに、米政府には金融制裁を一部解除する用意があるだろうと、ヒル次官補は述べた。

 6か国協議は8日、北京で再開される。

 写真は7日、韓国との境界線、板門店(Panmunjom)の非武装地帯(DMZ)で警備につく北朝鮮軍兵士。(c)AFP/JUNG YEON-JE